What is Coaching?「なぜ企業はコーチング研修をするべきか?」では職場での心理的安全性を保つために、「オープンかつ相手をジャッジしない」コミュニケーションの大切さについて書きました。
ではどうしたらそのような自分でいられるか、について、私の経験を書いていきたいと思います。
私がコーチングを学んでから、日々のコミュニケーションで徹底した事は2点あります。
1ー「相手の可能性を信じる」
2ー「相手の生まれ育った環境や日々の生活、考え方が違うことを理解する」
という事を意識しました。
これがしっかりできていれば「オープンかつ相手をジャッジしない」コミュニケーションの手助けとなるはずです。
ただ、シンプルなことですが、案外日々意識しないとできないもので、簡単ではありません。
大人は自分なりの価値観をすでに持っています。
自分の価値や経験則に照らし合わせて人をジャッジしてしまうのはある程度、自然だと思います。
でも、自分の物差しで、
「そんなことできるわけないじゃん」
「今までうまくいったことないよ」
「社会人としてそれはダメだよ」
などとネガティブな反応を返してくる人と話していて、自分の可能性や創造性が広がるとは思えません。むしろどんどん狭まってしまいそうですよね。
でも、上に挙げた2点を常に意識すると、自然とネガティブな反応をしなくなる、またはネガティブな反応をした時に自己認識できるようになります。
相手の可能性を広げるためにも、相手の言ったことを一度受け止める。
そして、自分の思いと違っても頭ごなしに否定するのではなく、また無理に同意したりほめたりするのでもなく、フラットに、
「どうしてそれをしたいと思うの?」
「どんな風にその目標に到達したいの?」
「到達するとどうなるの?」
ともっと本質的なことを聞くと、聞かれた側にも意外な気づきが出てきたりして、他者と実りのある会話ができます。
相手の言うことを「良い」「悪い」とジャッジするのではなく、「目標」「目的」「理想」「夢」などに意識を向けて会話することで、本質的なことに向き合いながら、問題解決に向けて動けるようになります。
オープンなコミュニケーションを取るために、自分の持っている「バイアス」(偏見・思い込み)を理解することも非常に有効と感じました。
本人のコントロール下にない特性 – 性別、国籍、年齢、セクシュアリティなどに基づいて「あの人はこうに違いない」と勝手に判断する“Unconscious bias”(無意識の偏見)による弊害はデータでも立証されています。
例えば、Center for Talent Innovationによる調査によると、バイアスを感じている社員の離職率がバイアスを感じていない社員の3倍になったり、アイディアの共有を2.6倍ためらう傾向にあるとのこと。
このようなデータを持ち出すまでもなく、自分の持って生まれた特性で勝手に自分がどんな人間かを決められたら、フラストレーションにつながり、会社内で自分らしく、のびのびと仕事できなくなるのは容易に想像がつきます。
また、Unconscious biasは職場においてダイバーシティ推進の障壁になるだけでなく、場合によってはハラスメントにつながります。
Phoenix Consultingでは、そういった自分が気づかないバイアスを理解し、多様性の中でストレスなく働く下地を作る” Inclusiveness and Unconscious Bias “のための研修も行っています。
Inclusiveness and Unconscious Bias( 多様性の尊重&無意識のバイアス)
職場における多様性を尊重し、無意識に持っている偏見を取り払うことによって、より迅速な意思決定やチームパフォーマンスの向上が期待できます。
本セミナーでは、ビジネスにおける多様性や無意識のバイアス、自己認識とビジネスパフォーマンスとの関係性への理解を深めます。 「VUCA」時代に求められる思考法をお伝えいたします。