Cases

事例
古河電気工業株式会社様

古河電気工業株式会社様

古河電工グループ様では、創業140年を迎え、新たに「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」というパーパスを制定されました。グループの価値観であるCore Valuesの体現を通して、世界中の社会課題の解決に取り組んでいらっしゃいます。海外市場の拡大に合わせたグローバル人材の育成についてお話をお伺いしました。

戦略本部 人材組織開発部 人材教育課
課長 山野祐介様
鏑木美保子様

実施の背景

古河電工グループのグローバル展開を推進するリーダーを育成する

実施内容

・対象者:日本人及び海外ナショナルスタッフの選抜者

・実施形式:各国・地域タイムゾーン別オンライン研修、日本創業地を訪問するレガシーツアー、集合研修

実施後の効果

・経験からの学び:机上の学習だけでは行動変容に結びつかず、異文化コミュニケーションの難しさや対話の重要性を実感した。

・意識の変化:グローバルビジネスへの関与を具体的にイメージし、海外との接点を増やす意思を持つようになった。

・一体感の醸成:ナショナルスタッフが企業文化を肌で感じ、日本との距離を縮めることで、海外拠点もグループの一部であるという認識が深まった。

研修を実施された背景・課題について

古河電工グループのグローバル展開を推進するリーダーを育成

グローバル人材育成に取り組む背景に関しますと、現在売上高ベースで海外比率が大体5割程度、海外従業員比率は7割を超えている状況になっています。今後の市場環境を見据えると、海外比率は一層高まる傾向にあると考えています。
そうすると、海外拠点への派遣候補者はもちろん日本国内の事業においても、ますますグローバル化が進行し、世界中の人と繋がって対話し、交渉できる人材の確保や育成は一層重要になってきます。

海外のナショナルスタッフあるいは海外に赴任をする人材に求められる力

多様な国籍や価値観、文化的背景を持つ人材が集まる組織では、本質的に「古河電工グループのパーパスやビジョンを本質的に理解し」「互いの文化や価値観の違いを尊重する」リーダーシップを発揮することが求められます。そのようなグローバルリーダーを育成するためには、多様性の理解や異文化対応力、グローバルコミュニケーションスキル、思考法など様々な知識・スキルの習得とさらにそれらを実際に経験する機会を創出することが重要だと考えています。

人材要件に基づいた学習機会を創出することの重要性

言葉の定義や仕事に対する意識の違いは、私(山野様)自身のアメリカ赴任経験からも実感しているのですが、事前の心構えや前提知識の有無が、赴任後の適応やパフォーマンスに大きく影響することは明らかであると感じています。
そのため、異なる環境下でのストレスを軽減し、業務を少しでも早く軌道に乗せるためにも、当社のグローバル人材要件に基づいた学習機会として、以下3つの取り組みを提供・実施しています(2024年度時点)。今回の研修は日本人と海外ナショナルスタッフが一緒に参加する、GMPとGDPの合同研修という形をとりました。

  • Global Mindset Program(GMP):半年かけて経営人材の育成を行うプログラム(一部GDPと合同で研修を行っている)
  • Global Development Program(GDP):海外ナショナルスタッフ向けプログラム
  • Global Challenge Program(GCP):若手層に向けた2~3ヵ月間の海外派遣プログラム

研修の主な目的やゴール

第一の目的は日本人スタッフへの異文化体験

研修の目的として、日本人スタッフがマイノリティとなり、異文化圏に放り込まれる場を意図的に作ることがありました。現地に行かずとも駐在しているような感覚になることで、机上で学ぶよりも強烈な体験になります。また、普段接点の少ない事業所や海外スタッフとのネットワーキングの機会を提供することも重要なねらいの一つです。

ナショナルスタッフのエンゲージメント向上

海外のナショナルスタッフにとっては、日本人社員は親会社からの赴任者という立場上、忖度が働き、本音を引き出しにくいという課題がありました。そこで、上述のように日本人をマイノリティにし、ナショナルスタッフが遠慮しない環境を作り出すようにしました。その結果、ナショナルスタッフにとって日本人社員が”They” から”We”になるとともに、当社グループへのエンゲージメントを高めることができました。

PCIをパートナーに選んだ理由

幅広いビジネス視点と柔軟な提案力

まずは、当社に寄り添った視点と幅広い提案力です。
企画設計を進めていく段階で、私たちが実現したいことに対して様々な角度からのご提案をいただき、大変助かりました。豊富な経験と実績を持つ講師とコンサルティングチームとともに、当社のビジネスや本研修の目的を軸に据え、パートナーとしてともに良いプログラムを作り上げていただいたという実感があります。
また、私たちが実現したかったのは、当社のパーパスとビジョンを深く理解し、グローバルに活躍できる人材を育成すること。さらには当社グループ内のグローバルネットワークを強化し、ロイヤリティ向上につなげることでした。その目的を達成するために、「企業視点」「受講者視点」さらには「人事視点」からご提案いただけたことに感謝しています。

机上の空論ではない実践的な人材育成の重要性

人材育成は理論・理屈ばかりのインプットだけでは意味をなさないので、より実践に近い環境を作りたいという当社の要望に強く共感していただき、創意工夫したことも印象的です。日本人スタッフと海外ナショナルスタッフとが一同に集まり、様々な課題やアクティビティへの取り組みを通して、学びを深めるための設計という観点でも私たちの考えをもとに具現化していただけたと思います。

また、より多くのグローバル人材を育成するためにも、社員の海外インターンや海外留学などと比較すると、グローバルな環境を創出し、海外ナショナルスタッフを交えて行う実践的な研修は費用対効果が非常に高いと実感しています。

研修実施後の成果・変化・効果

経験から得られる学び

一つは、参加者に「机上で学んだだけでは、行動変容に結びつかない」ということを実感してもらえたことです。ディスカッションではロジカルに物事を整理して、恐れずに意見をぶつけていかないと相手は話を聞いていてくれないという難しさやもどかしさ、文化の違いから起こるコミュニケーションの難しさなども経験を通して学ぶことができたと思います。

グローバルビジネスに対する意識の変化

また、「海外との接点を持たないといけない」という意思表明が参加者から見られたのは個人的に非常に嬉しかったです。部署によっては、国内の事業中心でグローバルの接点がないスタッフも参加していました。今後、海外のパートナーとの接点を増やしていく際に自分が中心人物になりたい、といった具体的な意思表示をしてくれたのもGDPの一つの成果だと考えています。

日本人スタッフと海外ナショナルスタッフの一体感の醸成

海外ナショナルスタッフにとっても、企業風土や文化を肌で感じ、理解を深めるという点で効果はありました。実際に現地の社長から、研修で学んだことを社内で生かしているという声がありました。どうしても物理的な距離があると日本との距離感が生まれてしまいがちですが、海外拠点もグループの一部なのだと感じてもらえるプログラムになっていたと思います。

パートナーとしてともに取り組む姿勢

成果や変化ではないですが、実際に研修を運営している中でとても助けられた点が2つありました。1つはLearning Management System(学習管理システム。略称LMS)活用のご提案です。当社ではこれまで研修参加者が自分のプロフィールを事前に用意をして、当日に印刷し配布していました。今回はLMSを使わせて頂いて、事前に各受講者に自己紹介動画を撮ってもらい参加者が視聴できるようにしました。相手の顔と名前が一致するだけではなく、英語の話しぶりやこの研修への期待や本人の意気込みなども分かった状態で研修に参加してもらえたのはお互いの刺激にもなり、とても良かったです。

もう1点は採用には至らなかったのですが、参加者向けに配布したピンバッジデザインのご提案スピードに驚きました。この研修に参加した証として、仕事中の着用のしやすさからピンバッジ制作を進めていました。ご相談をさせていただいてすぐにデザイン案をくださいました。想定外のご提案にとても驚いたと同時に、常にサポートしてくださっているという安心感を得た出来事でした。

研修の成果を活かした今後の取り組み

スピーディ且つ効率的なグローバル人材育成戦略

今後はビジネスの成長速度に合わせて、グローバル人材をスピーディに、幅広い対象者から多く育成していくことが我々に求められていると感じています。今後の取り組みの1つとして、GCPについては、若手層を海外に3カ月間派遣するコストや業務への影響等を踏まえ、今回実施したGMPとGDP合同研修のように、「日本にいながら机上の議論に留まらない、海外にいるのと同様の環境に没入できる体験を通して得る、生きた学び」が可能な研修体系を取り入れる方向も視野に入れています。

また、日本人スタッフに対する研修機会は拡充してきている一方で、海外ナショナルスタッフに対するアプローチが不足している部分があります。メリット・デメリットを整理した上で、海外子会社に対する独自のアプローチや海外ナショナルスタッフに対する日本でのトレーニングを強化していきたいと考えています。

あとがき

本プロジェクトでは、古河電工様のパーパス、Core Values、事業戦略に基づき、中長期的視点を持ちながら人材育成に正面から取り組む姿勢に対し、当社としても真摯に取り組み、多くのことを学ばせていただきました。インタビューへのご協力ありがとうございました。

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